売掛債権担保融資のメリット
売掛金を担保に現金化できます
最大のメリットは売掛金を担保に現金化できることです。 取引を行った際に支払が売掛になると、現金が手元に入るまでにはしばらくの時間を要することになります。
支払期日通りに支払いをしてくれる取引先ばかりではないかもしれません。場合によっては、催促の電話をしなければ支払いをしてくれないようなことが起きるかもしれません。このような場合でも、すぐに現金が手にできるので、資金調達の際には大いに役立つといえます。
大型の資金調達が可能
そして、大型の資金調達が出来ることも魅力です。受注が多くなって材料費や人件費がかさんで資金繰りに困ったとしても、まとまった金額の融資を受けられます。
取引先の相手企業の状況も借り入れ交渉の際に加味されるので、取引先が大企業や国などの行政機関であれば、それだけ信用度も高く審査には有利に働きます。
これは、たとえ自社が赤字であったとしても、長年継続的に優良な企業との取引事実があれば、融資が受けやすくなる傾向にあるということです。
無担保の融資に比べれば、低金利で融資をしてもらうことができます。さらに信用保証協会にも制度として用意されています。
売掛債権担保融資のデメリット
時間がかかる
制度を利用するのであれば、もちろん審査が必要です。
自社の財務内容を初めとして、取引先の企業の状況まで審査されるのでかなりの時間を要します。
通常銀行やノンバンクで融資を受けるときの審査よりも、時間がかかるということを認識しておく必要があります。
銀行で融資を受ける際には、信用保証協会の保証も必要になってきます。当然、時間がかかってきます。
ノンバンクの場合には信用保証協会の保証がないので、審査は行われません。
通知される事もある
売掛債権担保融資は取引先企業に制度利用を伝えることなく利用できることがほとんどです。しかし、中には取引先の相手企業に売掛債権を担保に融資を受けたことを伝えられる場合もあります。どういうことか、債権を担保としてお金を借りるということは、それだけ資金繰りに困っている印象を与えます。これは、当然、企業としてマイナスイメージになることは言うまでもありません。
倒産時のリスク
売掛債権を担保に融資を受けているので、取引先企業が倒産をしてしまえば入金を見込めません。入金があれば、その資金を使って融資を受けている銀行やノンバンクに返済していくことが出来ます。しかし取引先企業が倒産をし、売掛金の入金が見込めなくなった場合には、当然、資金繰りをした上で返済していくことになります。
また、売掛債権で調達できる金額は、債権額の約70％～90％の金額が設定されるようですが、金融機関と信用保証協会の審査待ちのため、思っているような金額が融資されないことも想定する必要があります。
